35歳から登山を始めた単独登山が好きな初心者の日記です。山行日記や登山用具に重課金しまくった経験を元に登山ギアの紹介をしています。これから登山を始められる方の参考になれば幸いです。よろしくお願いします。

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【登山日記】ついにきた!一般登山道最難関!大キレット!!!A沢のコルからの登りに戦慄!まさかの落石も・・・。

登山日記 

                                     2021・9

こんにちは!テルです!

今回は、ついに目標の一つであった【大キレット】に行ってきました。最近北アルプスでの地震と落石で騒ぎになっていますが、運よくその数日前に山行を行ってきて無事でした。大キレットは北アルプス槍ヶ岳から奥穂高岳の縦走路にある言わずと知れた一般登山道最難関のコースです。いつかは行ってみたいと思いながら、経験を積んできました。そしていよいよその時を迎えました。どうなることやら・・・。

登山口までのアクセス

最近恒例になってきましたが、コロナ禍のため、自家用車で移動です。片道6時間半のドライブです。今回は新潟側から回って上高地を目指します。今回気づいたのが、東北自動車道経由より早く着くのと混んでいないので気疲れしにくいことがわかりました。次からはこちらのルートを使おうと思います。いつもだと21時に出て4時頃着くのですが今回は3時過ぎに到着しました。

今回のルートは、1日目上高地〜槍沢ルート〜天狗原〜南岳小屋(コースタイム9時間)、2日目南岳小屋〜大キレット〜北穂高岳〜涸沢〜横尾〜上高地(コースタイム11時間)の予定です。

いざ!出発!!!

山行記録

今回一番気をつけていたのは、膝に負担をかけすぎないということでした。最近の山行では、後半膝痛が襲ってきていました。一般登山道最難関のルートで膝痛になったら終了です。性格上早く山頂につきたくてオーバーペース気味なので(コースタイム×0、7くらい)リズムを大事にゆっくり登りました。

膝痛予防のためにした事

  • 膝のテーピング
  • 行動食をこまめにとる。途中の小屋では軽食を補給する。
  • トレッキングポールの積極活用。
  • 足の筋肉が張ってきたなと感じたらストレッチ&休憩
  • 意識してゆっくり登る。
  • 少しでも違和感があったらサロンパスをはる←自分的には効果大。

上高地を6時20分スタートです。槍ヶ岳の時は最初の平地(河童橋から横尾)で無理しすぎたので、コースタイムに合わせるようにゆっくり進みます。

気温は8度。Tシャツ、アームレッグウオーマー、バギーズショーツ、フーディーニで少し肌寒いです。

天気はまずまず。

明神館

徳沢園

槍ヶ岳の時にお世話になった徳沢園。久しぶりに来ました。

横尾

槍と涸沢の経由地。さすがに人で賑わっていました。

槍沢ロッジ

大曲り

久しぶりに槍沢ルートを歩いて思ったのは、こんなに横移動だったかな?と言う事でした。記憶の中だと登りがきつかったイメージでしたが、大曲までは、多少アップダウンはありますがほぼ横移動という印象。おかげで体力温存できます。最近きつい山が多かったからかもしれません。

天狗原分岐

ここからは初めての道です。焦らずゆっくり進みます。まだ、横移動です。

しばらく進んで振り返ります。天狗原分岐があんなに小さい。

だんだん登りですが、優しいです。

チングルマがいっぱい!

まだまだ進みます。

ちょっと岩岩してきました。

少し歩くと有名な天狗池につきました。逆さ槍も綺麗に写りました。ラッキー!!!

今から目の前のてっぺんまで登ります。意外と岩が大きめです。ここから見ると小さく見えるけどね。しっかりしているので登りやすいと思います。ただし落石には注意してください。

てっぺんに着くと右側にさらに登ります。正直・・・ってなる遠さです。確実に時間かかるやん。

いつかは着くさ♪と自分に言い聞かせて進みます。高度も上がってきた。

この時点で気温が24℃。朝の3倍!この温度差はきつい。

まだまだ登ります。

振り返るとさっきのてっぺんがあんなに小さい。

ここくらいになると結構高度感感じます。確実に3点支持で!それなりに難易度あります。足元もザレて危ないと感じるところもあります。すみません、舐めてました。

梯子二連。

や、やっと稜線。疲れたー。でも本日宿泊の小屋まではまだ歩きます。

南岳小屋までの縦走路。疲れてるけど、嫌いじゃない。

南岳ゲット!!

やっと小屋到着。

テン場は2張だけでした。

明日進む大キレット。生で見ると息を飲みます。最近北アルプスで地震ありましたが、正直大キレットしているときに地震きたら終わるなと思っていたので、その前に終えることができてラッキーでした。もし山行中だったらと思うとゾッとします。

長谷川ピーク(写真手前の山)とA沢のコル(一番窪んでいるところ)、その後の北穂小屋までの登り。うっひゃー。ここからみただけでもやばそう。

小屋では、枕カバーを配布してくれます。私は、エア枕とインナーシーツを持って行きました。

小屋の情報です。

  • 充電は1階、2階にあります。宿泊者は2階のみ無料で充電できます。1階だと有料なので注意。(30分100円)
  • 水は、宿泊者無料。(雨水です。普通に美味しい。)気になる方はミネラルウォーターあります。
  • お菓子、飲み物等売ってます。(ポテチ、柿の種、チョコ等。ポカリ等。)
  • 小屋は常時換気で窓空いているので、寒いです。防寒着はしっかり持ってきた方がいいです。
  • 熊鈴、取るの忘れて小屋に入ると怒られます。忘れずにしまいましょう。
  • 8時消灯です。

夕食。全部うまかったが、豚汁がまじうまい。しかもおかわりできる!!!寒かったからあったまるー。

食後にはコーヒーのサービス。寒い小屋では嬉しいサービス。

消灯は20時でしたが、疲れてたのと、寒かったので早々に布団に入り寝てしまいました。

翌朝、風の音で目が覚めます。結構強そう。風速5から10くらいか?飯豊山の時よりはましな風だけどちょっと心配。そして寒い。なんと気温5℃。風の影響を受けると風速1メートルに対して1℃体感温度が下がると聞いたことがあります。つまり風速5メートルと見積もっても0℃!そりゃ寒いわけだ。朝は、レインきて出発かなぁなんて考えてましたが、これは無理。中にマイクロパフ着てレイン着てちょうどいいです。しばらくは下りと横移動なはずなので、暑くなることはないはず。天気は曇りですが、ガスはかかっていません。

緊張の中、いざ出発!!!もう戻れません。覚悟を決めます。

南岳小屋からのルートはいきなりガッツリ下ります。どこまで降るのかは目の前の稜線が見えているのでわかりやすいです。見た目はやばいですが、ゆっくり確実に行けばそこまで難易度は高くないです。鎖も途中あります。

そして、しばらく降ると長い梯子が出てきます。垂直の梯子です。まだ体があったまっていないので緊張します。

2本あり、どちらも高度感感じますが、ゆっくり行けば大丈夫。2本目の梯子をゆっくり降ります。・・・・・ここで事件が起きます。私の後ろを別の登山者が歩いていたのですが、

ラーック!!!!(落石おきたときに注意喚起する言葉)

突然の声にびっくりし、身構えることしかできませんでした。上の登山者が石を落としたのです。そんなに大きな石ではないと思いますが、カーンと梯子に当たる音がしました。幸い私には当たらなかったものの、身をもって、落石の怖さを思い知りました。落とした本人も私もかなり動揺しました。梯子を降りてから、一息つき、大丈夫と声をかけました。深呼吸し、動揺した心を落ち着かせて進んでいきます。

遠くに北穂小屋が見えます。最初はあまり登りはないのですが、稜線上を平均台のように歩く所もあったり、気が抜けません。上高地側にいるときは、風が収まります。緊張と風の影響?で喉がすぐ渇きます。ハイドレーションが必須だと思います。いちいちペットボトル取り出してられません。落とす危険もあります。

有名なマーク。ですが、それどころでない。笑

おそらくあのピークが長谷川ピーク。登りが始まります。探せばガバのような持ち手があるので浮かないか確認しつつ慎重に登ります。この辺では、ホールドやスタンスに迷うことはなかったです。ここから先は、A沢のコルまで落ち着けません。体も温まってきたので、マイクロパフを脱ぎ、レインで挑みます。

長谷川ピークです。ここわかりづらい。先に進んでから、動画でみた景色が出てきて、過ぎたことに気づき、戻りました。笑。ここから先はナイフリッジです。緊張感が一気に増します。

ナイフリッジを降りてきての下からの写真。稜線上、1箇所どう降りるのか迷うところありました。慌ててもいいことはないので、確実に確認し、イメージして進みましょう。思ったより高度感なかった。もっとやばいと思ってました。

短いですが、ツルツルの下り。鎖もあるので大丈夫。慎重におりましょう。

ツルツルの下りを過ぎると、A沢のコルです。ここで必ず休憩をとりましょう。ここから先は、危険ゾーンです。北穂小屋直下あたりまで、ゆっくりできる所ないです。

A沢のコルからみた北穂取り付き。角度がやばい。正直登りはゆっくり行けば大丈夫っしょ、と思っていましたがとんでもない。イメージは、5階建てのビルの上にあるほぼ垂直の、壊れそうなところ掴んだら落ちるかもしれないジャングルジムをずっと上ってく感じ。

北穂とりつきの中では比較的安全なところで一枚。このカールが見えるのが、高度感を感じるんですよ。本気で、生きて帰りたいと願いました。心が恐怖で押しつぶされそうになるのを、大丈夫。一歩一歩ゆっくり行こうと言い聞かせ、進みます。ホールド迷うところも2箇所ほどありました。個人的にはA沢のコルから飛騨泣き手前までが一番怖かったです。ある動画で体が宙に浮いてる感があるって言ってて、なんのことかわからなかったけど納得。生きた心地しなかった。

有名な飛騨泣き。鎖もあるので全然大丈夫でした。

このトラバースも鎖あり確実に進めば大丈夫。

2番目に怖かったところ。赤色は人の大きさイメージ。青はルートですが、白っぽいところは、ザレていてすごい滑る。ガッツリ鎖に頼らざるえなかった箇所。足が滑るのがとにかく怖い。

展望台が見えてきた。目の前には大きく北穂小屋が。

ジャンダルムみたいな造形。下は怖くて見れない。笑

振り返って。

ここまでくるとしばらく並行移動。少し安心。でも気は抜かない。

北穂直下の最後の登り。最後になかなかの登り。途中、土のようなホールドがないようなところあり。おいおいってなった。笑

ただ、もう小屋は大きく見えている。あそこまで行けば安全だ。最後の力を振り絞る。

小屋手前で。振り返って。登山者を見ると傾斜がわかりやすい。

やっと小屋到着!!!小屋から大キレットの眺め。絶景!!!やばっ。

小屋を少し上ったところに北穂高山頂があります。

北穂小屋。トイレで石鹸使えて嬉しかったー。泊まってみたい小屋。良さそうだな〜。

コーヒーでホット一息。このカップかわいい。売ってないのかな?

今まで歩いてきた大キレットを眺めながらのいっぱいは格別でした。同じ時間帯に歩いた方とやったねー!と言いながら談笑。この方、明日はジャンダルムだそう。すごいなぁー。今日はどこで泊まるんですか?と聞かれ、いや、上高地までおります。と言ったらめっちゃ驚かれました。笑   まぁ、コースタイム11時間だからね。6時に出て休憩なしで着くの17時。笑  横尾からは平地だからできる計画。

この後も長いので休憩は終わり!初めての北穂南陵へ向かいます。

横はこんな感じ。ただ、もう慣れっこ。

北穂南陵分岐。

ザイテングラードに似てるな。このルート。

奥穂が見える。小屋も。

相変わらず、涸沢カールは見惚れる。

北穂東陵。ゴジラの背?バリエーションルートです。

鎖出てきた。使わんけど。

ザイテングラード。ここから見ると短いんだけどなあ。

梯子。

唯一鎖に頼った箇所。ホールドが少ない。

下から見た写真。長めの鎖場だった。

やっと終わりが見えたー。

涸沢小屋でカレー補給!!!

横尾に戻ってきたー!今回はあまり涸沢横尾間、長く感じなかった。

16時 上高地到着!!! 無事帰還!!!疲れた・・・。

まとめ

今回は、山行として自分の課題だった膝痛が最後まで出ず、取り組みが功を奏した結果でよかったです。おかげで最後まで山旅を満喫できました。怪我や膝痛があると全然楽しめません。今回の山行で気づいたことがあります。それは、本当の意味で山行を楽しめてなかったのではないか?ということです。今まではピークハントが目的で山を歩いていた意識だったので早く着きたい気持ちが体を動かし、結果無理が生じて膝が痛くなることが多かったと思います。ゆっくり歩くことで時間の縛りから解き放たれ、体がオーバーロードしないよう歩け、膝痛も防げて、何より景色を楽しみながら歩けたと思います。本来登山は普段の時間に追われた生活から離れ、ゆっくりした時間を楽しむためのものだったのに、時間に追われるように歩いて景色もあんまり見てなかったと思います。もちろんゆっくり歩くためには、早出や計画に余裕をもつことが欠かせませんが、無理な計画で山行せず、楽しんで歩きたいと思います。

今回一般登山道最難関の大キレットでしたが、落石もあったり凄まじく緊張感のある登山でした。もう一回行きたいかと言われたら悩みます。それくらい怖かった。安易に挑戦はダメです。岩場に不慣れな人が挑戦すれば自分だけでなく、他の登山者も巻き込む事故を起こしかねません。怖くて体が動かなくなるかもしれません。一旦足を踏み入れたら進むも戻るも困難な道です。しっかり経験を積み、準備して臨みましょう。

でも・・・・。もう懲りたはずなのに、ジャンダルムの動画み始めてる自分。笑 まあ、もし挑戦するとしても来年になると思いますが、じっくり考えたいと思います。多分大キレット怖いではジャンは無理だと思うからです。挑戦するかはわかりませんが、楽しむこと、必ず帰ってくることを忘れず、登山を楽しみたいです。

大キレット。怖かったけど、充実してた。達成感もやばかった。終わった後もまだドキドキしてた。楽しかったです!!!

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テルの登山日記
35歳から登山を始めた飲食店店長の日記です。 年間100万円登山ギヤに課金。 槍、穂高、剱、大キレット、冬の八ヶ岳登頂。 ロングトレイルやトレラン、クライミングもかじってます。 これから登山を始める方向けに役立つ情報を発信していきます。 ブログ Amazonアソシエイトのプログラムを利用して、ご協力いただいた収益...

終わり

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